大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3864 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人吉田助右衛門の上告趣意について。

論旨は、被告人が本件により逮捕せられた直後起訴直前迄接見禁止となり、殆ん

ど起訴と同一日に至つて始めて接見を指定されたということを前提として、原判決

の違憲を主張する。しかし記録を調べてみると原判決も判示しているとおり、被告

人は昭和二七年一〇月一四日逮捕せられて引続き勾留せられていたのであるが、そ

の勾留期間中検事から弁護人に対して接見のための日時として同年一〇月二六日午

前九時から午後五時迄を指定された。しかるに本件の起訴状(第一審判決第一の事

実につき)が提出されたのは同年一一月八日であるから、右起訴前においても弁護

権の活動は発揮し得たものというべく、検察官の接見指定に関する措置が所論のよ

うに被疑者の防禦権を不当に制限したものとは解されない。それ故所論接見指定が

不当であつたことを前提とする違憲の主張は、その前提を欠くこととなり、採用す

ることができない。(なお昭和二九年(あ)第三四五六号同三〇年四月八日第二小

法廷判決参照)。

論旨はまた第一審が証拠とした被告人、関係人の検察官に対する供述調書の内容

が任意性を欠くと主張するけれども、そのような証跡は記録上認められない。その

余の論旨は事実誤認の主張に過ぎない。それ故論旨はすべて採用することができな

い。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年六月一四日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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